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  • 執筆者の写真みつば行政書士事務所

OEM契約とライセンス契約、一体何がどう違うの?②


こんにちは。行政書士の瀬野です。

先日、”士業交流会” なるものに初めて参加してみました。

あまり期待をせずに行ってみたのですが、予想に反して賑わっていて

懇親会前のセミナーも、心理学に基づいたクライアントへのアプローチ手法の紹介でアンテナが一つ増えました。参加されていた士業の方々は、弁護士、弁理士、税理士、公認会計士、中小企業診断士、司法書士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、そして行政書士、というお馴染みの職種です。たまたま同じテーブルに座った他支部のとても感じの良い行政書士の先生と意気投合し、楽しい時間を過ごしました。

普通の研修会やセミナーより有意義でした^^

 

と言う事で、昨日の続き「OEM契約とライセンス契約、一体何がどう違うの?②」です。

 *昨日の話はこちら⇒「OEM契約とライセンス契約、一体何がどう違うの?①」

Q:来週は2回目の経営層を含んだ全体会議があります。高確率でOEM契約とライセンス契約の話になるので、クセのある上司に突然質問された場合に備えておきたいのです。

A:直属の上司がクセのある方なのですか?

Q:そうなんです!!普段は穏やかな人なのですが・・。「座っているだけでいいから難しい会議にも全部参加するように」と言われて安心して参加したら、突然「君、〇〇の案を採用した時の当社のメリットを要点だけ説明してみて」なんて無茶ぶりをしてくるんですよ・・。酷いでしょう?それで、僕がしどろもどろしていると、その上司が颯爽と補足説明を始めて皆がうなずき納得するという定形パターンです。

A:なるほど。その定形パターンを終わりにしたいのですね?

Q:はい、これ以上みんなの前で恥をかかされたくないし、上司にも僕の知識を見せたいですし。

A:準備は大切ですが、敢えてその定形パターンを続け、分かった上で上司に花を持たせる役割を演じるのも、社内で長生きする処世術かも知れませんね~。

・・・・と少し脱線しましたが、昨日のご質問、OEM契約とライセンス契約のメリットとデメリットを順に説明します。

●OEM契約のメリット

例えば、ある製品分野で、特定のメーカー(A社)が優れた技術を持った製品を製造、販売していてシェアトップである場合、後発メーカー(B社)はそのレベルに達するまでに多くの投資と期間を必要とします。そこで、A社とOEM契約を締結すると、以下の様なメリットが発生します。

・クライアント企業A社からの製造技術・品質管理ノウハウの吸収

・設備稼働率UPによる製造コスト抑制

・相手先や販売網の利用

●OEM契約のデメリット

ただ、受注メーカーB社は、OEMの受注だけではその製品分野にいつまでも自社ブランドを浸透させることができません。また、製造量が常に納入先の都合に左右されてしまい、年間計画が立てられず売り上げが安定しないというデメリットがあります。

・自社ブランドの育成に繋がらない

・生産量が相手先の都合により左右され安定しない

・コスト圧力を受けやすい

●ライセンス契約のメリット

ライセンス契約では、ラインセスを許諾する側をライセンサー、使用する側をライセンシーと言います。

ライセンサー側の主なメリット

・実施料収入の確保

・その技術に投資した研究開発費の回収

・ブランドの拡大(商標ライセンスの場合)

ライセンシー側の主なメリット

・自社で保有しない技術の取得

・研究開発費に割く時間の節約

・ライセンサーのブランドを利用することによる利益拡大(商標ライセンスの場合)

●ライセンス契約のデメリット

状況によりケースバイケースですが、専門家に頼ることなく自社の担当者レベルで相手方とライセンス契約を締結した場合、以下の様なリスクが考えられます。

・法的に適切では無い契約内容により、無用な紛争に巻き込まれてしまう可能性

・権利の内容や有効性等についての分析が不十分で、自社に不利益な契約を締結してしまう可能性

・先方企業の事業内容、他の取り扱い製品、販路、取引先、売上等のリサーチ不足

・その他いろいろ

Q:何だか一度では頭に入りませんが、時間を作って体系的に学んでみます・・・

A:頑張ってください。陰ながら応援しています^^

#契約書

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