• みつば行政書士事務所

複数の遺言書が出てきました!


こんにちは。行政書士の瀬野です。

7年前の2010年、楽天が「英語公用語化」を宣言し、メディアにも連日取り上げられ、一部上場企業を中心に英語公用語化の波が吹き荒れるという現象がありました。その頃私は経営企画室で広報担当として中堅企業に勤務していたのですが、この「英語公用語化」の動きは、当時海外取引先との交渉や出張・駐在が急速に増えていた社内現状にマッチしていると考え、”全社員TOEIC730点を目標に”というプロジェクトを導入しました。これは中小企業では珍しい取り組みで、日経新聞やWBS、AERAなど様々なメディアに取り上げられたのですが、結果としてはごく一部の社員にしか定着しませんでした。導入は成功しても、社員全員に継続させる仕組みやインセンティブなどの制度設計が不十分であったと反省した出来事でした。ちなみに楽天は現在、英語公用語化導入についてのコンサルティング事業を始めているとの事です。

さて本日のお題は「複数の遺言書が出てきました!」です。

Q:父が亡くなり、妹と遺品整理をしていたところ、タンスの奥にお菓子の缶があり、その中に書面の遺言書が3通と、「大切な家族へ・・・」とタイトル書きがあるビデオテープがありました。これらは全て遺言書となりますか?

A:遺言書として有効であるためには、まず、「書面」であることが前提です。

従って、ビデオテープなどによる録画・録音の遺言は無効です。残りの書面3通の遺言書について見ていきましょう。封はしてありますか?

Q:3通ともそのまま読める状態です。1通目は父が入院する前、2通目は入院中、3通目は亡くなる少し前に書いたみたいです。ただ、3通目の筆跡は、微妙に父のものと違う気がします。

A:筆跡が違う・・・、それは後で検討するとして、3通ともきちんと日付が入っているのなら、日付が新しい遺言書によって、古い遺言書の内容を取り消した事になります(民法1023条)

その際、古い遺言書は全て無効になるかと言うとそうでは無く、一番新しい遺言書と内容が抵触しない部分については有効です。

ところで筆跡が違う件ですが、具体的にどの部分ですか?

Q:ここです。「〇〇の不動産は長女ゆみ子に全て相続させる」の長女ゆみ子の部分だけ筆跡が違うように感じます。

A:もし、その遺言書が偽造や変造されたものであれば無効になってしまいますが、立証は簡単ではありません。まずは文字の筆跡鑑定が必要になるでしょう。偽造と変造について少し説明しますね。

偽造:遺言書を作成する権限が無い人が勝手に遺言書を作成した場合

変造:遺言書を作成する権限が無い人が遺言書を書き換えたり一部を抹消した場合

これらは私文書偽造・変造罪(刑法159条)、偽造・変造私文書行使罪(刑法161条)に該当する犯罪です。

Q:まさか、姉のゆみ子が遺言書を勝手に書き換えたとか・・・

A:証拠もなく疑うのは良くありませんが、仮に偽造や変造をした人が相続人である場合は相続欠格となり、受遺者であれば受遺欠格者となります。そうなると、相続は出来ません。この様なトラブルを避けるために、遺言書は「公正証書遺言」で残しておくと良いですね。

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