みつば行政書士事務所
デューデリって何ですか
こんにちは。行政書士の瀬野です。
先週は、これまでで一番多く当WEBサイトにアクセスいただきました☆☆☆
毎朝、事務所に出勤すると前日のアクセス数を確認して一喜一憂するのが日課なのですが(笑、
少しずつではありますがアクセス数が増えていると、やっぱり嬉しいものです。
正直、ほぼ毎日ブログを更新するのは大変な時もあるのですが、ここは頑張って続けて行かねば!・・・と再びやる気を出しました^^
さて本日のご相談は「デューデリって何ですか」です。
メールや書類では、DDと略されている事が多いこの言葉、早速見てみましょう。
Q:一部上場企業に入社してまだ3カ月目の新入社員です。先日、社員食堂で、隣のテーブルから「役員会ではポジティブな事ばっかり聞いたけど、早めにデューデリ済ませないとなぁ」「そうそう、デューデリしてからのM&Aだからね、その結果ゼロクリアするかも知れないし!」などと全く意味不明ながら少し気になる会話が聞こえてきました。
新入社員の僕には関係ない話の様ですが、せめて用語の意味だけでも知っておきたいです。
A:デューデリとは、due diligence(デューデリジェンス)の事を短く言っていますね。
M&Aの対象会社に対する事前調査のことです。
例えば、会社Aが会社Bを買収しようとするとき、買い手Aとしては売り手企業Bの所有する不動産や金融商品などの資産の状況、また知財などを含む権利関係を調査する必要があります。
そうした調査の結果を、M&Aの契約内容に反映していき、最終的な契約締結に至るというプロセスをたどるのが一般的です。この様にDDはM&Aにおいては欠かせないものなのです。
買い手Aとしては、売り手側Bの事業計画(ポジティブなものが多い)を全面的に信用したい部分もありますが、やはり契約締結前に一度は調査(DD)するべきでしょう。
Q:なるほど。会社を買う前にどんな内容なのか中身をきちんと調べた上で、納得して買うと言う事ですね。そこまでは分かりましたが、具体的にどんなことを調べるのですか?
A:会社概要や財務諸表では分からない部分を細かく調べていきます。
●ビジネス面
買収予定企業のビジネスの商流からマーケット外部環境、SCM(サプライチェーンマネジメント)、業界内でのポジション、強み弱みなどを把握する。一般的には買い手側企業の経営企画室が外部のコンサル会社の協力を得て実施するケースが多く見られます。
●法務関連
買収対象企業の法務リスクや資産等について、買い手側の法務部門あるいは提携の法律事務所が調査します。設立時の謄本、定款から始まり、幅広い分野の契約書やこれまでの係争事件、潜在リスク等を細かく洗い出していきます。
●財務面
対象会社の決算書を中心に、買い手側の財務部門あるいは提携の会計事務所、監査法人が調査します。 滞留債権、滞留在庫や固定資産の評価、簿外債務の有無、正常収益力などを把握していきます。
●その他
人事制度やIT導入状況など、多角的な視点からそれぞれ担当部門の協力を得ながら調査します。
これらのDDを通して問題点が検出された場合は、それに対して今後どう対応をしていくのか慎重に検討する必要があります。
発見された問題点が経営面からみて重大で、M&A後に不確定要素を解決できない可能性が高ければ、敢えてM&Aを実行しないという決断も十分あり得ます。無理をしてM&Aしてしまうと、後々問題点が大きくなり、結局収拾がつかずに破談、という黒歴史を残してしまうことになりかねません。
余談ですが、私が以前経営企画室に居た頃、買い手側としてこの様なことがありました。シナジー効果を期待してのM&Aだったのですが、互いの企業風土も合わず、その他諸般の事情でボツになったのが1件ありました。お買い物は慎重に^^
