こんにちは。行政書士の瀬野です。
暑さもようやくひと段落してきましたね。いつの間にか、賑やかだった蝉の声も聞こえなくなりました。
日も短くなり18時頃には薄暗くなるし、毎年ですが「夏の終わり」って妙に寂しい感じがします。
さて本日は、建設業許可の「大臣許可」に注目し、そのメリットとデメリットをお伝えいたします。
●まず、知事許可と大臣許可の違いについて
単純に、営業所が複数の都道府県に設置されているか、そうでないかの違いだけです。
例)
営業所が大阪府内のみ⇒大阪府知事許可
営業所が大阪市内と京都市内にある⇒大臣許可
この様なイメージです。
ここで、「知事許可だとその都道府県内のみの工事しか出来ない」と誤解される方が多いのですが、大臣許可と知事許可で、工事の受注額や、工事できる地域などの違いはありません。日本中どこでもOKです。
●大臣許可取得のメリット
・自治体内に営業所があれば入札の際に有利になる(場合もある)
・社会的評価がUP
・事業規模が拡大できる
●大臣許可取得のデメリット
・知事許可と比較して費用が多くかかる
登録免許税:知事許可9万円,大臣許可15万円
行政書士事務所への報酬:知事許可13万円~、大臣許可18万円~、など
・審査期間が長い
知事許可の場合、審査機関は約1カ月ですが大臣許可だと約3か月以上の審査期間があり、その間は待期期間となります。
・専任技術者や支店長の設置が必要
あらかじめ、要件を満たした人材(令3条使用人・専任技術者等)の確保が必要になります
・申請ルートが複雑
行政書士に依頼される場合はあまり意識しなくても良いと思いますが、大臣許可は本店を管轄する担当課を経由して、地方整備局への申請となり、知事許可と比べてルートが複雑で時間もそれなりにかかります。
●まとめ
大臣許可取得のデメリットを多く書いてしまいましたが、社会的評価が上がるなど受注メリットも多くあります。事業拡大のタイミングで知事許可から大臣許可に「許可替え新規」手続きを行いましょう。
この場合の手続きにおいて、事業年度終了報告書(決算変更届)や役員変更届、専任技術者変更届などの変更届が未提出の場合は、先に現在の許可権者に対して変更届を完了した後に新しい許可権者への申請をすることとなります。