• みつば行政書士事務所

経営業務管理責任者と、実際の経営者が異なるケース


こんにちは。行政書士の瀬野です。

今、少し前に積水ハウスが騙されて話題になった「地面師」事件の本を読んでいます。

誰もが知る2兆円企業の積水ハウスでさえも60億円近く騙された事件のカラクリに興味があったのですが、相関図が複雑な上に登場人物全てその筋だし・・・こういう人たちに本気で目を付けられた高齢の地主さんに有効な防御策はあるのか?と何とも言えない気持ちになりました。

ちなみに、この手の犯罪で騙され損害が発生しても、売買話を持ちかけてきたブローカー、その仲介業者、不動産業者、購入する会社、手続きする司法書士等々は、「本人に偽装している人に自分も騙された!」と言って善意の第三者を装い、被害者は泣き寝入りするパターンが多いそうです。何とも恐ろしいですね。

さて本日は、「経営業務管理責任者と、実際の経営者が異なるケース」と題して説明いたします。

まずおさらいとして、建設業許可を取得する必要条件は以下の通りです。

1)経営業務管理責任者(ケイカンと呼ばれています)が居ること

2)専任技術者(センギと呼ばれていますね)が居ること

3)誠実性がある事(過去に法律違反など犯していないか)

4)財産要件を満たしている事(500万円以上)

大体、1)のケイカンと2)のセンギを、社長さん一人で兼任している場合が多いです。

1)の経営業務管理責任者になるためには、許可を受けようとしている工事業種で5年以上の経営経験が必要なのですが、これがハードルになり、スムーズに建設業許可を取れない場合もあります。

ケース1:建設会社の社員から独立した工務店社長Aさんの場合

Aさんは社員として勤務していたので、センギの要件は満たせてもケイカンの要件は満たしていません。

独立して工務店を設立し、建設業許可を取ろうとしてもAさん自身がケイカンの要件を満たしていないので、残念ながら今のままでは取れません。ではどうするか?と言うと、以下二つの手段から好きな方を選ぶ形になります。

・Aさん自身がケイカンの要件を満たすまで5年間待つ

・ケイカンの要件を満たしている人材を外部から探してきて役員として雇う

ケース2:経営難に陥った建設会社の経営権を異業種の社長Bが買い取った場合

買い取った社長Bさんは、異業種の社長経験はありますが建設業の経営経験が無いため、現時点では建設業許可要件である「許可を取ろうとしている工事業種で5年以上の経営経験」を満たしていません。この場合も、対応策としてはケース1と同様です。

・社長Bがケイカンの要件を満たすまで5年間待つ

・ケイカンの要件を満たしている人材を外部から探してきて役員として雇う

ケース3:建設会社経営の父親が急死し息子Kが後を継いだが、息子Kを役員にしていなかった場合

この場合も、対応策としてはやはりケース1と同様なのですが、「息子Kがケイカンの要件を満たすまで5年間待つ」を選択すると今持っている建設業許可が流れてしまいます。許可を維持するためには、「ケイカンの要件を満たしている人材を外部から探してきて役員として雇う」のが現実的ですが、そう簡単には見つからないのが実情です。

この様な事態を避けるために、いざという時の事を考えて、家族にケイカン候補者がいる場合出来るだけ早い段階で役員登記しておくことをお勧めします。


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