こんにちは。行政書士の瀬野です。
弊所は、2017年は本日で仕事納めとなります。(来年の仕事始めは1/4です)
本年は、たくさんの方々と知り合い、お世話になり、また親切にしていただきまして
ありがとうございました。
私にとって、人と人との ”つながり” の大切さを再認識した1年となりました。
これからも、このご縁を大事にして、より一層精進していきたいと存じます。
来年も、どうぞよろしくお願いいたします!
さて本日のお題は「弟の奥さんがいつのまにか父の養子に!」です。
年末最後のテーマとして相応しいかどうか分かりませんが、早速見てみましょう。
Q:私(55歳・看護師・独身)は父の家の敷地に一軒家を建てて住んでいます。父の家には兄夫婦が同居しており、兄嫁が病弱な父の介護をしています。私は夜勤もあり仕事が忙しいので、父の介護は専業主婦でもある義理の姉にお任せしていました。
父の病状は数年前からあまり良くなかったのですが、先月とうとう息を引き取りました。お通夜やお葬式、納骨など忙しく動き回る中、何と「公正証書遺言」の存在が明らかになりました。
そもそも、父が遺言書を残していること自体寝耳に水で、驚いたのですがその内容が・・・
A:想定外の事が書いてあったのでしょうか?
Q:そうなんです!!あ、ちょっとお話が前後しますが、戸籍謄本を取った所、いつのまにか兄嫁が父と養子縁組をしており、兄嫁は私と兄と同列の、法定相続人の1人になっていたのです!!そして、公正証書遺言にも遺産は3人で等しく分けるようにと細かく記載されていて・・・。
兄も養子縁組の件をずっと私に黙っていたのです。ひどいと思いませんか?
A:養子縁組の手続き自体には、当人同士以外の方の許可は要りませんからね・・・。それに、病弱のお父様の介護やお世話を兄嫁さんが長年されていたのであれば、お父様が兄嫁さんに遺産を相続させたいと思うのも、自然な事のように思います。
Q:でも、赤の他人の兄嫁に、私や兄と同じ相続分が行くなんて、何だか損したような気がします。
A:兄嫁さんはお父様の介護を長年されていますし、そもそも赤の他人ではないですよね。
ただ、相続人が増えることによって基礎控除額も増え、結果として相続税の節税になるというメリットもありますよ。公正証書遺言は故人の遺志が正確に反映されたものですし、通常はその内容に沿って相続手続きを行うことになります。損したと思うより、「今まで父がお世話になってありがとう」という気持ちに切り替えた方が、これから関係性が上手くいくのではないでしょうか。